多摩電子工業の「PR-AP160UC3」は、 1 台で 4 デバイス同時充電できる高コスパ充電器です。ノートPCとスマホを同時に急速充電できる、最大100W対応という高性能さには目を見張るものがあります。

社外でモバイルワークする機会が多い いつもの匠です。
外出先で作業する機会が多すぎて、コンパクトで高出力の充電器は必需品なんだよね。
以前の筆者は、純正アダプタを含め最大3台の充電器を持ち歩いていました。しかし、PR-AP160UC3を見つけてからは、1台で済ませるようになりました。
- 実売3,000円以下でコスパが高い
- 4ポートで同時充電できる
- GaN採用で小型で軽量
- 国内メーカーによる安心品質
実際の性能はどうなのか?実際の使い勝手は?本当に買う価値があるのか?そんな疑問に答える、筆者の検証結果を紹介します。この記事を読めば、自分にとって「PR-AP160UC3」が買うべきかを判断できます。
高コスパGaN充電器「PR-AP160UC3」の主な特徴
これまで筆者は数々の充電器を試しましたが、PR-AP160UC3 はサイズ、出力、安全性のバランスが秀逸だと感じました。その特徴を裏付ける、以下 4 つのポイントを紹介します。
このパートでは仕様書に書かれている内容だけでなく、実際に体感できる「リアルな性能」にフォーカスしています。
GaNチップで小型・高効率
PR-AP160UC3はGaN(窒化ガリウム)を半導体に採用し、小型ながら高性能です。
この GaN は急速に普及している半導体材料で、搭載する充電器が近年増えています。そんなGaNチップを搭載するPR-AP160UC3は、電い充電効率 と コンパクトさ を実現しているわけです。
まず手に取ると、まず本体の小ささに驚きます。


PR-AP160UC3はプラグを折り畳んだ状態で、幅32.5mm×高さ62mm×奥行き63mmです。










これは同出力の他社充電器と並べると、明らかに小さいです。試しに手元にあるものと比較してみました。







厚さは充電器らしい感じだけど、縦横はかなりコンパクトだね
100W出力の競合製品と比較すると、最も幅が狭いのが多摩電子 PR-AP160UC3(32.5mm)でした。
製品名 | サイズ(mm) |
---|---|
多摩電子 PR-AP160UC3 | 約32.5 × 62 × 63 |
Anker 736 Charger(Nano II 100W) | 約67 × 57 × 32 |
UGREEN Nexode 100W | 約71 × 33 × 43 |
ELECOM EC-AC65100BK | 約32.5 × 57 × 68 |
筆者がこれまで使用していた2つの充電器とも、サイズを比較してみました。






筆者手持ちの充電器の中では、最もポート数が多いのが多摩電子工業 PR-AP160UC3。Anker PowerPortⅢより大きいものの大出力、ELECOM EC-YAC04WHよりは軽いため、一番使い勝手が良さそうだなと感じました。



我が家のモバイル充電器の中で、 PR-AP160UC3はエースになったよ!
USB PD対応!最大100Wの4ポート設計
PR-AP160UC3は4ポートを搭載し、USB-C×3口 と USB-A×1口が利用できます。


1つのポートだけで充電するなら 100W、4 ポート同時に充電しても 90W を自動配分できます。以下は利用ポートの組み合わせによる各ポートの最大出力です。
利用ポート数 組み合わせ例 | USBポート別最大出力 | 合計 | |||
---|---|---|---|---|---|
C1 | C2 | C3 | A | ||
USB‑C1 単独 | 100 W | – | – | – | 100W |
USB‑C2 単独 | – | 100 W | – | – | 100W |
USB‑C3 単独 | – | – | 65 W | – | 65W |
USB‑A 単独 | – | – | – | 18 W | 18W |
USB‑C1+USB‑C2 | 65 W | 30 W | – | – | 95W |
USB‑C1+USB‑C3 | 65 W | – | 30 W | – | 95W |
USB‑C1+USB‑A | 65 W | – | – | 18 W | 83W |
USB‑C2+USB‑A | – | 65 W | – | 18 W | 83W |
C1+C2+C3 | 45 W | 30 W | 20 W | – | 95W |
C1+C2+A | 45 W | 30 W | – | 18 W | 93W |
C1+(A+C3) | 65 W | – | A+C3 合計15 W | 80W | |
C2+(A+C3) | – | 65 W | A+C3 合計15 W | 80W | |
C1+C2+(A+C3) | 45 W | 30 W | A+C3 合計15 W | 90W | |
注1. USB‑C1/C2 は最大100 Wまで対応(1ポート利用時)。 同時使用では 65 Wまたは45 Wに制限されます。 注2. USB‑C3 は最大65 W、ただし複数ポート時は 30 Wまたは 20 Wに制限。 注3. USB‑A は最大18 W。 注4. “A+C3 合計15 W” と表記されている組み合わせでは、2ポートを合わせて 15 W(例:各7.5 W)を分配します。 |
この電力配分はだと感じました。



PR-AP160UC3の説明書は、これらを図付きで記載していて良心的だよ
当然ですが、出力は分散され、全ポートしようすると合計90Wまで変動します。しかし、匠のような多数デバイスを使うユーザーにとって、同種製品のほとんどが2〜3ポート搭載の中、4ポート搭載は決定的な採用理由になります。
PPS対応でスマホも最適化充電
PR-AP160UC3は、PPS(Programmable Power Supply)に対応しています。
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PPS(Programmable Power Supply)とは?
従来のPD充電より細かく電圧を調整できる規格。例えば通常のPDが固定電圧(9V/12V/15V等)なのに対し、PPSは0.02V単位で調整可能。
このPPS対応によって、サムスン製スマートフォンやタブレットとの相性が特に良いそうです。そのメリットは、主に充電効率の向上、デバイスの発熱抑制、バッテリー寿命の延伸です。



Google PixelやOPPO Reno11 AもPPS対応なんだけど、恩恵がわかりにくいんだよなぁ…
すぐには効果が分かりにくい特徴ですが、PPS対応スマートフォンを使っているなら、PR-AP160UC3は選ぶべき理由の1つとして入れても良いでしょう。
安全機能と国内メーカーのサポート
PR-AP160UC3の安全設計は、過電流・過電圧から保護してくれます。また、PSE技術基準適合を取得しているため、日本の電気用品安全法の基準をクリアしています。



海外メーカーの安価な充電器がすぐ壊れた経験があるんだよね。ぜんぜん対応してくれなくて困ったなぁ、あれは。
万が一の不具合でも、多摩電子工業は 1 年保証でカバーしてくれます。多摩電子工業は40年以上の実績を持つ国内メーカーで、不具合が発生した場合も国内サポートセンターで対応してくれます。



国内メーカーらしい、きめ細かいサポートは安心だなぁ
なお、初期不良は購入店舗での交換も可能だそうです。多摩電子工業の商品はコンビニでも販売していますから、出先でのトラブルで購入するなら選んで間違いないです。
高コスパGaN充電器 PR-AP160UC3 の良いところ
今回は、筆者は PR-AP160UC3を実際に使って実験した結果、特に印象的だった点を3つ紹介します。
ノートPCを充電…できる?
100W PD充電できるPR-AP160UC3の性能は、メーカー各社のノートパソコン純正充電器の性能を超えています。今のところ、100W対応充電器が標準添付される小型~中型のノートパソコンは、ほぼありません。(ゲーミングPCは除く)
もちろん、筆者愛用の MacBook Air 13インチ(M2モデル)は、問題なく充電できました。
1口で100W充電する場合はもちろん、iPhoneと同時充電して電圧が下がっても、なんら違和感なく充電できました。



もっと負荷をかけても大丈夫なんじゃないの?
そこで筆者が保有するゲーミングPC(ラップトップ)「ASUS TUF Gaming F15 FX507VV」を使って、PR-AP160UC3で充電しながら、人気3Dゲーム「フォートナイト」をプレイしてみました。その様子がこちら。



さすがにゲーミングPCの給電は無理だった…
実際のところ、後述する100W対応のUSB-Cケーブルが無ければ、100Wで給電しながらのプレイはできないと判明しました。まだまだ100W対応のUSB-Cケーブルは多くないため、ちょっとゲーミングPCには役不足でしたね。
とはいえ、普段使いのノートパソコンとスマートフォンを同時充電するくらいなら、同時に急速充電できる性能は体感できました。
4ポート同時利用でも90W出力を維持できる
PR-AP160UC3 最大の特徴は、4ポート同時充電で合計90W出力できる点です。
そこで筆者は、以下の厳しい条件で検証しました。
以下のノートパソコンとスマートフォン3台を接続して、安定した同時充電ができるか確認する。
- MacBook Pro 14インチ(USB-C1ポート使用)
- iPhone16e(USB-C2ポート使用)
- iPhone16(USB-C3ポート使用)
- OPPO Reno11 A(USB-Aポート使用)
充電は30分以上として、その間の安定性を確かめる。
実際の検証動画は以下です。
動画にある通り、充電開始直後は不安定さが見られたものの、すぐに安定して充電できました。動画は30分ですが、2時間までキッチリ安定して充電を継続し、無事に充電完了しました。



けっこうシビアな検証だったけど、ちゃんと最後まで充電できて良かったよ!
ポケットに収まるサイズ感
PR-AP160UC3 は男性ジーンズの前ポケットに余裕で収まる、コンパクトなサイズ感です。


PR-AP160UC3 は折りたたみプラグを搭載した、丸みのある真四角な形状です。公式サイトに表記されているサイズと重量は以下です。
製品寸法 | W32.5×H62×D63mm (プラグ含まず) |
---|---|
重量 | 約 230g |
単純な数字だけでは伝わりにくいので、身近なものと比較してみました。まずはサイズです。縦幅と横幅は、様々なものと比較してもコンパクトな部類です。






ちなみに、重量は実測で216gでした。ちょっと重いスマートフォンよりは軽いくらい。iPhone16の1.4倍、単三電池 約9本分の重さ です。



パソコンの充電器と比較しても小さくて軽いし、今どきの大出力スマホ充電器はだいたい同じくらいだよね。
プラグ部分は90度回転する折りたたみ式を採用。収納時は本体にスッキリ格納されるため、他のケーブルやデバイスに引っかかる心配がありません。折りたたみもスムーズで、使用時に困るシーンは無さそうでした。
海外変換プラグを使えばグローバル電圧(AC100V〜240V)にも対応するため、出張や旅行にも最適です。
高コスパGaN充電器「PR-AP160UC3」のイマイチなところ
筆者が検証して感じた、PR-AP160UC3 のイマイチな点は次の3つです。
これらは致命的というわけではありませんが、購入前に確認しておくべきポイントです。使用シーンや持ち運び頻度によっては、気にしておくべきだと感じました。
4ポート同時充電で一部デバイスの充電停止する場合あり
先の検証でも紹介しましたが、PR-AP160UC3Wの4ポート同時充電実験では、スマートフォンの充電が一時停止しました。(以下の動画を再掲)
すぐに充電が復帰して安定したものの、過負荷保護機能が働いたのか、個体差なのか、仕様上は仕方がないのか、筆者は判断できませんでした。



毎回必ず発生するわけじゃない点がまた難しい…
筆者の推測では、 過負荷保護機能が働いて、安全に充電できるように電圧をコントロールした可能性が高いと考えています。しかし、4デバイスの同時充電を頻繁に行うなら、もっとW数が高く、大型の充電器を選択した方が無難とも言えます。
余談ですが、頻発する場合にも対処法としては時間差充電がおすすめです。例えば、消費電力の大きいノートパソコンを30分先に充電して80%程度まで回復させます。その後、スマホなど他のデバイスを接続すれば、全デバイスを安定して充電できる方法です。



出張や旅行では、ほぼ時間差充電で問題なく使えるはずだよ!
常に持ち運ぶにはやや重め
ズボンのポケットに入れるなら気になりませんが、PR-AP160UC3 の重さは小型ガジェットでは重い部類です。最大100Wで4ポート搭載という点では妥当ですが、女性や軽量ノートPCユーザーには重いと感じるかもしれません。



毎日の持ち運びを考えると、数十gの差も無視できないよね
そこでPR-AP160UC3 と競合他社の100W充電器とで、主なスペックと価格を比較しました。その結果は以下です。
製品名 | 重量 | ポート構成 | 最大出力 | 実売価格※ |
---|---|---|---|---|
多摩電子 PR-AP160UC3 | 約230g | USB-C ×3 USB-A ×1 | 100W | 約3,980円 |
Anker 736 Charger (Nano II 100W) | 約206g | USB-C ×2 USB-A ×1 | 100W | 約7,490円 |
UGREEN Nexode 100W | 約320g | USB-C ×3 USB-A ×1 | 100W | 約4,300円 |
Belkin WCH010dqWHJP | 約500g | USB-C ×2 USB-A ×2 | 108W | 約7,000円 |
※Amazon価格(2025年5月14日時点) |
競合他社製品と比べると重さや性能は同等ながら、価格が最も安い点は大きな魅力です。



たしかに軽くはないけど、競合製品よりすごく重いわけではないしね
ノートパソコン標準添付の充電器よりは軽いため、ノートパソコンを使うユーザーなら間違いなく許容できる重さと考えて大丈夫でしょう。
充電ケーブルが付属しないので別途必要
PR-AP160UC3には、充電ケーブルが標準では付属しません。自分で充電ケーブルを準備する必要があり、使い方次第では最大100W対応の充電ケーブルが必要です。



充電ケーブル選びは注意しないといけないかもね…
実際にPR-AP160UC3で100Wの高出力を活かすには、E-Markチップ搭載のケーブルが必要です。2025年5月現在、多くのUSB-Cケーブルが60Wまでしか対応しておらず、フル出力での充電ができないケーブルがあります。
例えば、多摩電子工業の以下のケーブルを購入できれば、最大240W対応で確実です。





E-Markチップ搭載のケーブルなんて、なかなか見つけられなかったよ…
これらのケーブルを含めると総額は約5,000〜6,000円になってしまいます。それでもパソコンメーカー各社の純正アダプタ1個分よりは安いため、コストパフォーマンスは良いと考えて大丈夫です。
PR-AP160UC3 は誰が使うべきUSB充電器か
今回の検証したPR-AP160UC3 は、USB PD 100W と GaN の強みを両立した高コスパ充電器でした。4 ポート同時でも 90W を維持できるのに、4,000円を下回る実売価格は大きな魅力です。
今回の調査結果から、PR-AP160UC3 は次のユーザーにマッチすると筆者は考えました。
- 💼モバイルワーカー
- カフェ・出張でPC+スマホを急速充電したいけど、荷物を最小限にしたいユーザーに向いています。コンセント1口しかないカフェや出張先でも問題なし。ノートパソコンとスマホを、同時に急速充電できて便利です。折りたたみプラグもポイントが高いです。
- 👨🎓クリエイティブな学生
- iPad撮影や編集時も安定給電したい学生ユーザーにも向いています。コスパが良く、キャンパスや撮影現場でiPad Proなどを使用する学生さんには、PR-AP160UC3は特におすすめです。
- 👨💻ガジェット愛好家
- 最新ガジェットを複数所有している方には、4ポート充電の恩恵が大きいでしょう。自宅でのゲーム環境としてSteam Deck(45W)、Nintendo Switch(18W)、コントローラー(5W)を同時充電できます。
- ✈️出張族
- 海外出張の多いビジネスパーソンにとっては、4ポート充電とコンパクトさに加え、グローバル電圧対応(AC100V~240V)も大きなメリットでしょう。
- 📱PPS対応スマホユーザー
- Galaxy S23 UltraやPixel 7 ProなどPPS対応スマホと、PR-AP160UC3は相性が抜群です。充電速度が約15%向上し、発熱も5〜8℃低減します。PPS充電による温度抑制効果は、バッテリー寿命を延ばす効果もあります。
もちろん、重量がやや気になる点や充電ケーブルが別途必要な点は考慮すべきでしょう。しかし、実売価格 3,980円を考えれば、コストパフォーマンスが非常に高いと判断できます。



Amazonのセールで、3,000円を下回ってる時があったよ。インターネットで買うなら、セールタイミングに購入すると良いかも。
本記事で紹介したように、PR-AP160UC3 は高性能・高コスパのUSB充電器です。もし購入を検討するなら、以下からチェックしてください。

